「アール・ブリュット」作品、ベネチアの国際美術展に出展へ 滋賀

2013.04.04(Thu)

「アール・ブリュット」作品、ベネチアの国際美術展に出展へ 滋賀

2013年4月3日 02:06 産経新聞

  □草津在住の沢田さん

 ■「滋賀の美 世界に」

 正規の美術教育を受けていない障害者らを中心にした芸術「アール・ブリュット」の作家で、草津市在住の沢田真一さん(31)の陶芸作品が、イタリア・ベネチア市で6月1日から開かれるビエンナーレ国際美術展に出展される。日本のアール・ブリュットは世界的に高水準とされ、中でも滋賀県が中心的役割を担う。関係者は「滋賀の美を世界に売り出す絶好の機会」と意気込んでいる。

 ビエンナーレは「2年に1度」を意味するイタリア語。ベネチアの各所を会場にして美術展や建築展、音楽祭、演劇祭などが開かれる芸術の祭典で、100年以上の歴史を持つ。美術展には37カ国から150人以上が参加予定で、最先端の現代美術が披露される。

 アール・ブリュットはフランス語で「生(き)の芸術」を意味し、障害者や子供らが営利目的でなく自分自身のために行う芸術活動を指す。フランス人画家、ジャン・デュビュッフェ氏が提唱した。英語圏では「アウトサイダー・アート」と呼ばれ、独創的な作風が人気を集めている。

 県内では、「日本の障害者福祉の父」と呼ばれる糸賀一雄が昭和21年に設立した障害児福祉施設「近江学園」(湖南市東寺)で粘土を利用した造形活動に始まった。29年には大阪や京都の百貨店で作品展を開くなど、先駆的な役割を果たしてきた。県は平成16年にアール・ブリュット作品を専門的に展示する「ボーダレス・アートミュージアムNO(ノ)-MA(マ)」を近江八幡市に開設、作品の発掘に力を入れている。

 先天的な自閉症の沢田さんは、12年ほど前に栗東市の障害者福祉施設で陶芸に出会ってから創作活動を続けている。作品を覆うトゲのような形態が特徴で、専門家は「一人の世界の中で自由に飛翔した沢田さんにしかつくれない造形美」と評価。県内では現在、県公館に作品が展示されている。

 また、デュビュッフェ氏のコレクションを展示するスイス・ローザンヌ市の美術館「アール・ブリュット・コレクション」に12点が収蔵されているほか、平成22年にフランス・パリ市で開かれた「アール・ブリュット・ジャポネ展」にも出品され注目を集めるなど、日本の第一人者として活躍している。今回は10点程度の陶芸作品を出展。トゲトゲしているのにどこかユーモラスで、不思議な魅力のある作品が会場に並ぶ予定。

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